処方薬マスターの収載項目

「処方薬マスター」では、医薬品の効能・効果(適応可能な病名)と禁忌データに限定して、医薬品添付文書に含まれる「病名」をキーワードとして抽出し、ICD-10コードを付加しています。また、大部分のキーワードには検索に利用するための「読み仮名」も付加してあります。

「処方薬マスター」は、投与しようとしている医薬品が、

治療目的としての病名に適合しているか
禁忌となる疾患に罹患状態の患者に投与されていないか

をチェックすることを目的で開発しました。


「処方薬マスター」に収載されている主な情報

「処方薬マスター」には、大きく分けて「チェック」「効能効果情報」「投薬禁忌情報」「副作用情報」の4つ参照可能な情報が収載されています。以下で、主な収載情報を紹介します。

 

  1. 適応対象病名(キーワードコード化済み)
    適応症・非適応症としての病名に関する文書情報とキーワードコード情報を収載しています。
    例えば、「風邪以外の呼吸器疾患に有効」という情報の場合には、「風邪」は、非適応対象病名として処理され、「呼吸器疾患」は、適応対象病名としてキーワード処理しています。
  2. 効能・効果注意情報
    適応対象病名の留意点に関する文書情報を収載しています。
  3. 用法・用量チェック
    投与方法と投与量に関する文書情報を収載しています。
    「用法用量マスター」は、この文書情報に基づいて処理されています。
  4. 用法・用量注意情報
    投与方法と投与量についての留意点に関する文書情報を収載しています。
  5. 保険の扱い情報
    前述の1〜4は医学的な情報ですが、この情報は、保険診療上の制限に関する文書情報です。厚生労働省から保険適用に関して特に指定がある場合には本情報が収載されています。
  6. 禁忌情報(キーワードコード化済み)
    特定の疾患に罹患している患者に投与できない医薬品が多数存在します。当該医薬品が禁忌条件に該当する場合の文書情報とキーワードコード情報を収載しています。
    例えば、「胃炎を除く消化器疾患に投与しないこと」という情報の場合には、「消化器疾患」は禁忌対象病名として処理されますが、「消化器疾患」は完全一致する病名がないため禁忌対象としてキーワードコード化されていません。「病名Ver.2対応マスター」では、拡張病名の概念を導入することによってキーワードコード化されています。
  7. 併用禁忌情報(対象医薬品特定処理済み)
    同時に服用する互いの医薬品には、相互作用が生じる場合が多々あります。そのうち、好ましくない相互作用についての併用禁忌文書情報と相手医薬品コードを収載しています。
  8. 警告情報
    前述の「禁忌情報」は、特定病態に対する投与制限であり、前述の「併用禁忌情報」は同時服用医薬品に対する投与制限です。ここには、それ以外の投与上の重大な問題点を起こすおそれのある医薬品に関しての情報を収載しています。
  9. 妊婦への投与禁忌情報
    妊婦への医薬品投与についての、禁忌・制限に関する文書情報を収載しています。
  10. 授乳婦への投与禁忌情報
    授乳婦への医薬品投与についての、禁忌・制限に関する文書情報を収載しています。
  11. 小児への投与禁忌情報
    小児への医薬品投与についての、禁忌・制限に関する文書情報を収載しています。
  12. 高齢者のへ投与禁忌情報
    高齢者への医薬品投与についての、禁忌・制限に関する文書情報を収載しています。
  13. 副作用(国内)情報
    当該医薬品について、国内で報告された副作用に関する文書情報を収載しています。
  14. 副作用(類薬)情報
    当該医薬品に類似した医薬品についての、副作用に関する文書情報を収載しています。
  15. 副作用(外国)情報
    当該医薬品について、外国で報告された副作用に関する文書情報を収載しています。

「処方薬マスター」のチェック項目と理由情報

「禁忌情報」「併用禁忌情報」「警告情報」「妊婦への投与禁忌情報」「授乳婦への投与禁忌情報」「小児への投与禁忌情報」「高齢者への投与禁忌情報」「副作用(国内)情報」「副作用(類薬)情報」「副作用(外国)情報」については、それぞれ禁忌や制限が指定されている事実を収載したチェックと、禁忌や制限の理由や結果を収載した理由情報の2種類の情報に解析した結果を収載しています。

例えば、「授乳婦への投与制限情報」では、

例1

「授乳婦へ投与すると、乳房炎が発生するため、投与しないこと」という文章には、チェックとして「授乳婦へ投与しないこと」が存在し、理由情報として「乳房炎が発生する」が別途に存在します。

つまり、「授乳婦へ投与してはならない」ことが判ります。

 

例2

「乳汁移行性が高いため、乳児への悪影響が発生する」という文章には、チェックとして「服用期間は授乳しない」が存在し、理由情報として「医薬品成分の乳汁移行性が高い」が別途に存在します。

 この例では、「母乳を止めれば投与可能である」ことが判ります。


例3

「母乳の減少例が報告されている」という文章には、チェックとして「母乳の減少」のみが情報として存在します。

 つまり、当該医薬品の投与自体には問題がなく、医師・薬剤師が患者に周知させるべき情報であることが判ります。


 

「投薬基本情報マスター」における「病名」の定義

「投薬基本情報マスター」は、複数の「病名」概念を収載しています。

 

  1. 保険傷病名:「頚肩腕症候群」等の、いわゆるレセプト病名
  2. 診断病名・症状・プロブレム:「激しい咳」等の、症状やカルテに記載される病名表現
  3. 病態を表現する診断用語・検査結果:例えば「拡張期血圧100mmHg以上」は、高血圧の病態を意味する病態表現
  4. 医薬品の副作用等の症状:例えば「ペニシリン過敏症」は、症状であるが、必ずしも治療対象の病名とはならない。
  5. 病名表現を含む接頭語:例えば「動脈硬化性」は、循環器疾患の病名の接頭語としても用いられるが「動脈硬化」自体が病態表現である。
  6. 抽象的な病態表現:例えば、胃潰瘍→消化器疾患→内科系疾患の順で定義範囲は広いが、いずれも適応症として、効能・効果文書上に存在している。
  7. その他の病態表現を含む体言:例えば、「B型肝炎感染期間」等の期間・時期表現や「心臓弁膜症手術時」等の手術行為表現、「糖尿病診断時」等の検査表現
  8. その他:例えば、シュードモナス属細菌感染状態