「病名Ver.2対応マスター」における病名拡張

 添付文書の効能又は効果、禁忌で用いられている病名は、医療現場で用いられている病名と、必ずしも同じではありません。そのため、添付文書の病名をコード化しただけでは実用になるマスターデータとはなりません。

 

禁忌病名の問題

 例えば、インテバンSP25の添付文書の禁忌の欄には「消化性潰瘍のある患者」と記載されています。仮にインテバンSP25の禁忌病名のコードとして「消化性潰瘍」に対応するコードのみを採用したとすると、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」という病名に対しては禁忌のチェックがかからないことになります。

 

効能及び効果の病名の問題

 例えば、セレネース細粒の添付文書の効能又は効果の欄には「統合失調症,躁病」と記載されています。仮にセレネース細粒の適応症のコードとして「統合失調症,躁病」に対応するコードのみを採用したとすると、「急性統合失調症」や「緊張型統合失調症」という病名に対しては適用外処方というチェックがかかることになります。

 

病名の拡張

 正確なチェックを行うためには添付文書の病名を「拡張」する必要があります。「病名Ver.2対応マスター」では、MEDIS-DCの「ICD10対応電子カルテ用標準病名マスター(第2版)」から添付文書の病名に関連すると考えれらる病名をすべて抽出してコード化しています。

 

3つのコードに対応

「病名Ver.2対応マスター」は、ICD10 Ver.1、ICD10 Ver.2およびレセプト電算処理システムコードの3つのコードに対応しています。

 例えば、インテバンSP25(個別医薬品コード(YJコード); 1145002N1145)の添付文書の禁忌の欄には「消化性潰瘍のある患者」と記載されていますが、これらの文字情報では、医療情報システムで自動チェックができません。また、正確なチェックを行うためには添付文書の病名を「拡張」する必要があります。

 

 そのため、「病名Ver.2対応マスター」では、MEDIS-DCの「ICD10対応電子カルテ用標準病名マスター(第2版)」から添付文書の病名に関連すると考えれらる病名をすべて抽出してコード化しています。

 

 インテバンSP25の例でいうと、「消化性潰瘍」に該当する病名としては、食道潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等があります。同じ潰瘍でも、角膜潰瘍、下腿潰瘍、膀胱潰瘍等は消化性潰瘍ではありません。この例でもわかるように単純に「潰瘍」という文字列をもとにして拡張することはできません。さらに、食道潰瘍には、真菌性食道潰瘍、薬剤性食道潰瘍、パレット潰瘍、消化性食道潰瘍等があります。ここまで拡張して初めて個々の病名との正確な対応付けが可能になります。

 「病名Ver.2対応マスター」では、このようにして拡張した病名に対して、ICD10 Ver.1、ICD10 Ver.2およびレセプト電算処理システムコードをデータ化しています。真菌性食道潰瘍は、K221-006,K221, 8834927、薬剤性食道潰瘍は、K221-007, K221, 5302003です。インテバンSP25の個別医薬品コード(YJコード); 1145002N1145とこれらの病名コードを対応付けることにより、正確な禁忌チェックが初めて可能となります。